循環脱出の理論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 23:58 UTC 版)
生活保護世帯では、進学・進路への不安を持つ子どもや不登校、引きこもり、学歴不振などの課題を抱える子どもが少なくなく、親自身も様々な課題を抱えている。有子世帯の7割は母子家庭であるため、ひとり親ならではの子育ての負担もあり、受給母の健康状況の悪化が子どもの健康にも影響している。 「二世代生活保護母子世帯」の中には、「母子家庭であったほうがいろいろと便利」と母親に言われて未婚母子家庭になったという人物も存在するように、母親の影響が大きい。 箕面市で行っている「子ども成長見守りシステム」では市の保有する子供の家庭・経済・福祉受給状況などの環境要因と学力や生活習慣のデータを複合的に利用して市内の学齢期の子供を分析している。これにより、生活困窮度の高い家庭の子どもほど学力調査の偏差値が低く、また非認知能力と呼ばれる「問題解決力」などと家庭の経済状況・養育状況の関係が非常に密接に関連していることも明らかになった。日本財団はこのデータを分析し、貧困状態の子どもの学力は10歳を境に急激に低下し、年齢があがるにつれその差は拡大するとしている。基本的な非認知能力は、困窮世帯と他は低学年時点から差が大きいが、貧困下でも学力の高い子どもは、非認知能力が高く、基礎的信頼や生活習慣などの非認知能力育成が重要と結論づけている。
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