影響・副次効果
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/13 13:27 UTC 版)
こうした借耕牛の労や犠牲に報いるため、時に讃岐山脈および讃岐国内の峠道(主には国境や村境)には「牛の墓」と呼ばれ記される石碑が散見される。これは借耕牛のみならず、峠を往来する運搬に使われた流通牛も併せての弔いと感謝を示した塚であり、地元地域にとっても大事な信仰の対象となっている場合も多い。ちなみに「墓」とあるが実質上は人間の営みの犠牲となった牛たちの合祀を目的とした「塚」であるため、実際にその場に何らかの牛が弔われている、というケースは非常に稀である。 牛の受け渡しの時期には峠の集合場付近が派遣先と派遣元、両地の農家で賑わい、飲食店も栄えた。 借耕牛で両国の交流が盛んになるにつれて、阿波から讃岐への嫁入りも増加したと言われる。これは牛を育てた派遣元の畜農家の娘が、自家の牛の面倒を見るために「かりこさん」として自家の牛育のノウハウを派遣先やその近所に伝える事、また雪深くなる前に自身の実家へと米を持ち帰る事を目的として迅速な作業を心がけた事より「阿波の娘は働き者」として派遣先の米作農家に気に入られた事情がある。
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