影の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 22:22 UTC 版)
同一画像を180°回転 立体弁(識)別実験で明らかになったことは、提示課題のオブジェクトがテーブルに落とす影が開眼者たちの識別に影響を与え妨害することだった。触覚の世界には「影」も「陰」もないので、開眼者たちは影もオブジェの形の一部と見做してしまうのである。被験者のひとりは「どんな小さなものにも, 影があるのですね. 不思議ですね」と語った。実験者たちは、照明を工夫してできるだけテーブル上に対象立体の影が落ちないようにしなければならなかった。 晴眼者でも円と球の識別では「陰」を“手がかり”とする。触覚ではあきらかな凹凸も視覚では陰により判断することは「陰の錯視画」などでも明らかで(ただし生理学的、あるいは脳神経学的な仕組みが明白ということではない)、平面図形の認知と立体の認知、言い換えれば2次元と3次元では文字通り認知の「次元」が異なるのである。
※この「影の問題」の解説は、「先天盲からの回復」の解説の一部です。
「影の問題」を含む「先天盲からの回復」の記事については、「先天盲からの回復」の概要を参照ください。
- 影の問題のページへのリンク