形質・遺伝子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:44 UTC 版)
オーストロネシア系諸族の祖先は元々モンゴロイドであったが、移住先の東南アジアにおいて先住民のオーストラロイドを多分に混血している。特にメラネシアにおいては、オーストラロイド系メラネシア先住民が、後からやってきたオーストロネシア語族に言語交替を引き起こしたというほうが正確である。またマダガスカル人はアフリカ人(ネグロイド)と混血している。 ポリネシア人は、例外的なまでに大型の体格と、彫りの深い顔立ちが特徴である。体脂肪率が高く、世界保健機関の調査で住民の肥満率において、世界上位10カ国のうちの4カ国をポリネシア系諸国が占めるほどである。このことは長い航海における厳しい環境下で、大型の体格、高い体脂肪率という形質特徴が選択されていった結果と考えられる。 オーストロネシア系諸族に高頻度に見られる遺伝子として、Y染色体ハプログループO1aがあげられる。O1a系統は台湾先住民に66.3%-89.6%、ニアス島で100%など、東南アジアの半島、島嶼部、オセアニアにも高頻度であり、オーストロネシア語族との関連が想定される。またO2a2*系統(xO2a2b-M7, O2a2c1-M134) もオーストロネシア語族と関連しており、スマトラ島のトバ人に55.3%, トンガに41.7%, フィリピンに25.0%観察される。ポリネシア人などにはパプア・メラネシア先住民由来のC1b2、MS、K*なども観察される。 mtDNAハプログループはハプログループB4a1a(台湾からポリネシアまで広域)、ハプログループE(島嶼部東南アジアが中心)が関連している。
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