形状と進化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/06/19 22:40 UTC 版)
現生の類人猿では、両眼の上を覆うように弧を描いて突出する眼窩上隆起が発達する。化石の類人猿にもふつうに見られるが、人類においても猿人・原人・旧人ではよく発達しており、現生人類と区別される特徴の一つである。 類人猿の眼窩上隆起は、太く、左右のものが一つながりになって張り出しているが、人類においては、進化と共に左右に分離し、その後、左右個々の隆起も中央部に浅い溝が生じて分割と縮小が始まり、現生人類の段階では外側(側頭部の側)は消失し、内側(鼻に近い方)は弱い隆起が残って眉上弓となる。眉上弓は眼窩上隆起の退化と縮小により形成されたもので、眼窩上隆起そのものではない。現生人類には眼窩上隆起は見られない。オーストラリア原住民など一部の人種では眉の付近が前方に突出し、眼窩上隆起を思わせるが、実際には眉上弓が強く発達したもので、眼窩上隆起ではない。 ただし、類人猿でも新生児ではほとんど存在せず、成長とともに急速にはっきり目立って来る。ネアンデルタール人でも、わずかに発見されている幼児段階の頭骨の研究により、同様の傾向があったと考えられる。
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