形と生態
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/10 01:11 UTC 版)
全体の姿は種によって大きく異なる。葉の形になるのは、花茎の根元の根出葉と、花茎の先端の苞葉である。両方が少しずつあるものもあれば、どちらかがよく発達するものもある。 根出葉が発達して、苞がほとんど目立たないものは、裸地に生えるハマスゲなどがある。カヤツリグサでは若いときは根出葉が発達するが、花茎が伸びると次第に苞の方が目立つようになる。メリケンガヤツリは、大型種で、苞も発達するが、根出葉もとても大きくなる。 苞の方がよく発達するタイプもある。シュロガヤツリは、極端に苞だけが発達するもので、根出葉は葉身がなく、苞だけが多数出て、茎の一本それぞれが、ヤシの木の樹形のようになったものである。 根出葉も苞も発達せず、茎だけになったものもある。日本ではシチトウがこれで、細長い茎だけが浅い水底から抜き出て並ぶ形になる。パピルスもこのタイプで、先端に伸びる髪の毛状の房は、すべて花軸である。 多くの種が湿地に生育する。日本では水田やその周辺で多くの種を見ることができる。大型種は水辺に大きな群落を作るものもある。シチトウは河口の干潟周辺に群落を作り、沖縄ではマングローブの周辺に顔を出す。 より乾燥した土地に生育するものもある。ハマスゲは乾燥に強く、地下に塊状の地下茎をもち、匍匐茎を横に伸ばすので、やっかいな雑草である。
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