強襲揚陸艦と軽空母
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 09:53 UTC 版)
上記の通り、アメリカ海軍のヘリコプター揚陸艦(LPH)は、もともと強襲ヘリコプター空母(CVHA)として航空母艦のカテゴリにあったものが、その保有枠を圧迫しないように揚陸艦のカテゴリに移されたという経緯があった。LPHはその後、更に大型で上陸用舟艇の運用にも対応するなど機能を強化した強襲揚陸艦(LHA/LHD)に発展したが、これらの艦は、その強力な航空運用機能を活かして、上記の制海艦に近い作戦行動も実施するようになった。 例えば湾岸戦争ではタラワ級が、またイラク戦争ではワスプ級が、それぞれ20機以上のAV-8B攻撃機を搭載して「ハリアー空母」として行動した。湾岸戦争において、ノーマン・シュワルツコフ将軍は「迅速・決定的な勝利に大きく貢献した3つの航空機」の1つにAV-8Bを挙げるほどであった。またこれらの後継となるアメリカ級では更に航空運用機能を充実させて、高性能なF-35Bを搭載しての「ライトニング空母」(CV-L)としての行動も想定して設計されている。 またマルチハザード化およびグローバル化に伴う任務の多様化に対応して、アメリカ国外でも強襲揚陸艦を建造・取得する国が相次いだが、これらの艦も軽空母・ヘリ空母としての運用が想定されていた。更に海上自衛隊も、ヘリコプター搭載護衛艦 (DDH)として建造したいずも型をSTOVL運用に対応できるように改装し、F-35Bを搭載・運用することが決定された。
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