弁内侍を救う
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/07 14:22 UTC 版)
室町時代の説話文学『吉野拾遺』では、日野俊基の娘と伝わる弁内侍という美女との恋愛譚が描かれる。後醍醐天皇崩御後、弁内侍の美しさを耳にした幕府執事の高師直は、弁内侍が外出せざるを得ないように一計を案じ、輿に乗ったところを部下に命じて拉致しようとした。その時、たまたま河内から吉野へ向かう楠木正行が通りがかり、弁内侍を守ろうとした。師直の部下たちは、三〜四人で一斉に正行に打ちかかったが、正行はこれをものともせず、凶徒らをことごとく斬り捨てた。この話を聞いた後村上天皇は、弁内侍賜嫁を提案したが、正行はかねてより死を覚悟しており、これを辞退した。そのとき詠んだ歌が とても世に ながらふべくも あらぬ身の かりの契を いかでむすばん であるとされる。 亀田俊和は、(『吉野拾遺』と限定せず)後世の師直好色伝説全般は、史料的根拠が全くないとしている。
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