広角レンズの被写界深度特性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 20:00 UTC 版)
「広角レンズ」の記事における「広角レンズの被写界深度特性」の解説
広角レンズは被写界深度が深い。 35mm判の焦点距離28mmのレンズは、F値をF8・ピント位置3mで、約1.5m〜無限遠の被写界深度となる。 35mm判の焦点距離50mmのレンズでは、同条件で、ピントが合う範囲が約2.3〜約4.4m、被写界深度は約2.1mとなる。 上記のように異なる焦点距離のレンズを、ピント位置とF値を同一にして比較すると、広角レンズの方が被写界深度が深い特性を持つ。これは広角レンズの方が、焦点面の錯乱円の直径が許容錯乱円径以下となる距離である「焦点深度」が広くなる。「焦点深度」が広くなるということは、合わせたピント位置に対して「ピントが合っていると感じられる範囲」が前後により深くなるということである。 被写界深度が深い特性のため、スナップ撮影に向いているレンズとされる。また、被写界深度を生かしたパンフォーカス撮影にも適している。 被写界深度の例(絞り:F2.8・ピント位置:5m) 焦点距離(35mm判) 14mm 24mm 28mm 35mm 50mm 135mm 300mm ピントが合う範囲 1.5〜∞m 2.8〜26.2m 3.1〜12.3m 3.6〜8.1m 4.2〜6.1m 4.88〜5.13m 4.98〜5.01m 被写界深度 --- 約23m 約9.2m 約4.5m 約1.9m 約0.25m 約0.05m 許容錯乱円径=0.033mmにおける計算値 焦点距離別の被写界深度の比較(F値=5.6)広角レンズ24mm(35mm判)対角線画角84度 標準レンズ50mm(35mm判)対角線画角46度 中望遠レンズ100mm(35mm判)対角線画角24度 橋の欄干やその影に注目すると、24mmではかなり奥まで合焦しているように感じられる。50mmでは橋の中ほどより先ではボケている。100mmでは欄干はボケている。なお作例では、被写体(人物)の大きさを一定にしようと撮影しているため、カメラから被写体までの距離(ピント位置)は異なる。
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