年代測定の課題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/15 01:44 UTC 版)
ライジングスターの化石群の年代測定(英語版)は2015年9月10日の時点で実施されていなかった。放射性炭素年代測定は化石の一部分を破壊しなければならないため、研究チームは化石について詳しく記述した論文を発表するまでは、年代測定を実施するわけにはいかないと判断した。放射性炭素年代測定は5万年程度前まで計測が可能であり、化石が5万年前よりも古いものかどうかについてのみ判定することができる。しかし、年代などの重大な情報が得られていない段階で発表に踏み切った研究チームに多くの科学者が失望を隠せない様子だという。 骨は洞窟の床に横たわっているか浅い堆積物に埋もれた状態で発見された。2つの化石年代測定技術(火山灰の成している層に含まれる化石の年代を調べる方法と流水作用によって堆積した方解石の成している層に含まれる化石の年代を調べる方法がある)は化石が火山灰あるいは流れ石(英語版)の層に埋もれていなかったので、いずれも使用することができない。例えば、東アフリカの年代測定が可能な火山灰層では320万年前のルーシーなどの化石の年齢を判定するのに役立てられている。 ある地質学者は洞窟の中で発見された化石は300万年前よりは新しいものだと考えている。 リー・バーガーはその解剖学的分析がホモ・ナレディは280-250万年前、ヒト属の始まりかあるいは始まりに近い時期に出現したことを暗示していると述べている。これに対し、ティム・ホワイト(英語版)は化石が100万年前より古いかどうかを知るのは困難であると述べている。
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