市場例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/10/31 02:38 UTC 版)
コンソル債(永久債)について考える。コンソル債は、現代の主流となっている償還期間の定められた債券よりも、安定企業の株式に近い性格を持つ。 いま、債券の配当が年 E、市場利子率が年 i であるとすると、債券の正常値は E / i になる。仮に利子率が i から i + Δi に変化したとすると、債券の時価は E / (i + Δi ) となる。 したがって、債券を保有することによって得られる 1 年間の資産の価値は E / (i + Δi ) + E であり、現金のままで保有したときの価値 E / i と比較すると、 E i + Δ i + E ≷ E i {\displaystyle {\frac {E}{i+\Delta i}}+E\gtrless {\frac {E}{i}}} i 2 + i Δ i − Δ i ≷ 0 . {\displaystyle i^{2}+i\Delta i-\Delta i\gtrless 0\,.} i 2 − Δ i ≷ 0 ( Δ i ≪ i ≪ 1 ) . {\displaystyle i^{2}-\Delta i\gtrless 0\quad (\Delta i\,\ll \,i\,\ll \,1)\,.} 現行利子率の 2 乗 i 2 以上の変動率 Δi で利子率が上がると、貨幣を保蔵したほうが得になる。もし利子率 i が小さくなると、変動率 i 2 は小さくなり、わずかな利子率の上昇でも、債券保有は損害を受ける。その結果、貨幣保有の力は強まり、弱気の人が多くなり、利子率は下がらず、利子率の下限という流動性の罠が生ずる。 i Δi が微小でない一般の場合には以下のようになる。 利子率 i について左辺が 0 になる条件を考えると、 i = − Δ i 2 ± ( Δ i 2 ) 2 + Δ i {\displaystyle i=-{\frac {\Delta i}{2}}\pm {\sqrt {\left({\frac {\Delta i}{2}}\right)^{2}+\Delta i}}} i ≷ 1 2 ( ( Δ i ) 2 + 4 Δ i − Δ i ) ⇒ E i + Δ i + E ≷ E i ( Δ i > 0 ) . {\displaystyle i\gtrless {\frac {1}{2}}\left({\sqrt {\left(\Delta i\right)^{2}+4\Delta i}}-\Delta i\right)~\Rightarrow ~{\frac {E}{i+\Delta i}}+E\gtrless {\frac {E}{i}}\quad (\Delta i>0)\,.} − i < Δ i ≤ − 4 {\displaystyle -i<\Delta i\leq -4} E i + Δ i + E > E i ( Δ i > − 4 , i + Δ i > 0 ) . {\displaystyle {\frac {E}{i+\Delta i}}+E>{\frac {E}{i}}\quad (\Delta i>-4,\,i+\Delta i>0).}
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