巴の面
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/14 14:07 UTC 版)
1970年1月7日号掲載。27ページ。 長宗我部家に双子の娘がいた。妹の伏見姫は容姿は美しいが、歪んだ性格を有している。逆に姉の巴姫は素直で優しい心と、美しいとは言えない容姿を有していた。2人は土佐の本條忠道を愛していた。忠道は心の美しい巴を選んで妻にしたが、忠道が極度の近眼であることも作用していた。伏見はその本性を現し、巴を鬼女に仕立て上げる策略を巡らした。その策略に乗せられた忠道は刀を振るって巴を追い出そうするが、近眼ゆえに手元が狂い、巴の顔面を切り取るようにして殺してしまう。その直後、巴の顔は風に乗って実家に飛び、伏見の顔に張り付いた。巴の顔になった伏見はそのまま狂い死にし、巴の顔は恐ろしい面として後世に遺された。時は変わって現代、マンガ家の手塚は、巴の面と同じデザインでおもちゃのお面を作れと依頼され、巴の面の現物を押し付けられる。恐ろしい逸話を持つ巴の面と一晩過ごす羽目になった手塚は、伏見姫と同じように巴の面に取り殺されてしまい、巴の面は行方知らずになった。さらに時が流れて21世紀、巴の面は或る古美術商の家に飾られていた。その時代、女性の美しさの基準は大きく変わってしまっており、古美術商は息子(オクチン)が付き合う女のあまりの顔の酷さに呆れ返るほどだった。そして、古美術商と息子のやりとりを前に巴の面は笑うような音をたてながら、ドロドロに溶けて崩れ去ってしまったのだった。
※この「巴の面」の解説は、「ザ・クレーター」の解説の一部です。
「巴の面」を含む「ザ・クレーター」の記事については、「ザ・クレーター」の概要を参照ください。
- 巴の面のページへのリンク