小塚昌彦とは? わかりやすく解説

小塚昌彦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/18 20:24 UTC 版)

小塚 昌彦(こづか まさひこ、1929年 - )は日本のタイプデザインディレクター、書体設計家東京都出身。毎日新聞書体の改刻に従事し、小塚明朝小塚ゴシックの制作を指揮した。戦後日本の活字書体の形態、電胎活字ベントン活字写真植字デジタルフォントのすべてについて関わってきた経験を有する。

略歴

1929年、東京に生まれる。太平洋戦争中は学徒動員により機械工員として働く。戦後に帰京。

1947年毎日新聞社に入社。金属活字の鋳造を担当し、その後ベントン母型彫刻機用の原図制作でチーフを務めるなど、主に手書きによる活字書体の開発に携わる。1970年以降、毎日新聞CTS導入後はデジタルフォントの設計開発を担当する。1979年 愛知県立芸術大学の非常勤講師に就任(1997年まで)。1984年に毎日新聞社を定年退職する。

1985年モリサワのタイプデザインディレクターに就任し、リュウミン新ゴなど、主要書体の開発に従事する。

1992年、アドビ システムズ(現アドビ)の日本語タイプディレクターに就任、日本語デジタルフォントの開発に従事。1997年小塚明朝2001年小塚ゴシックを発表。2001年12月、アドビとの契約が終了。

2003年、蝋型電胎法の再現を試みる「本木昌造・活字復元プロジェクト」に参加。印刷博物館 開館三周年記念企画展「活字文明開化——本木昌造が開いた未来」図録(凸版印刷株式会社 印刷博物館、2003年)84ページ「諏訪神社収蔵種字による活字母型制作の技術再現プロジェクト」を執筆。

2007年、第6回佐藤敬之輔賞(日本タイポグラフィ協会)を個人受賞。

制作に携わった書体

  • 毎日新聞明朝
  • 毎日新聞ゴシック
  • ピコ・カジュアル36
  • マリ-MU
  • リュウミン
  • 新ゴ(発表当時の名称は「新ゴシック」)
  • 小塚明朝
  • 小塚ゴシック

著書

  • 『ぼくのつくった書体の話 : 活字と写植、そして小塚書体のデザイン』(2013年12月、グラフィック社)ISBN 978-4766125627

論文

  • 「東南アジアのタイポグラフィ事情」 『印刷雑誌』63巻5号 印刷学会出版部 1980年 35-41ページ
  • 「毎日新聞社の拡大文字 (新聞用文字の拡大とデザイン)」 『印刷雑誌』66巻8号 印刷学会出版部 1983年 9-15ページ
  • 「コンピュータ時代の文字デザイン--国際タイポグラフィ協会のワーキングセミナーから」 『印刷雑誌』66巻11号 印刷学会出版部 1983年 53-57ページ

参考資料

  • 下川正晴「ひと 小塚昌彦さん 活字書体作り半世紀、「小塚明朝」を創作」 『毎日新聞』2002年2月17日東京朝刊、2面、2ページ
  • 「毎日新聞の文字が大きくなります(その2) 大きな文字、目にやさしく」 『毎日新聞』2007年10月12日東京朝刊、特集面、16ページ
  • 雪朱里『文字をつくる 9人の書体デザイナー』(誠文堂新光社、2010年6月) ISBN 4416810385(著者がインタビューした書体デザイナーの1人として登場)

外部リンク


小塚昌彦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/08 16:02 UTC 版)

書体デザイナー」の記事における「小塚昌彦」の解説

毎日新聞社で「毎日書体」の改刻に当たる。モリサワ移り「リュウミンファミリー」の拡充や「新ゴ」を手掛けるアドビで「小塚明朝」「小塚ゴシック」のディレクション金属活字写真植字デジタルフォントいずれも体験した

※この「小塚昌彦」の解説は、「書体デザイナー」の解説の一部です。
「小塚昌彦」を含む「書体デザイナー」の記事については、「書体デザイナー」の概要を参照ください。

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