導入速度に影響を与える因子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/27 08:36 UTC 版)
「吸入麻酔薬」の記事における「導入速度に影響を与える因子」の解説
肺胞換気量 ガスを吸入できる量のことになるので大きいほど導入は早くなる。 機能的残気量 肺内に含まれる空気の量になるので大きいほど導入は遅くなる。肥満者、妊産婦、仰臥位では横隔膜が挙上し、機能的残気量が減少するため導入が早いと考えられる。 換気血流分布の不均等 肺気腫、気管支喘息、無気肺の患者では血流への麻酔薬の移行が遅れるといわれている。 心拍出量 心拍出量が多いと肺胞内濃度が上がりにくく、濃度勾配が作りにくく導入が遅くなると考えられている。 血液/ガス分配係数 37℃、760mmHgにおいて血液1mlに溶けるガスのml数のこと。大きいほど大量のガスが血液中に溶け込まなければならないので導入が遅くなる。あくまで麻酔の完成は、肺胞内濃度と血中濃度が等しくなったときと考えられている。 2次ガス効果 血液/ガス分配係数の低いガスを併用すると併用されている吸入麻酔薬の肺胞内濃度が上昇し吸収が速くなる現象のことである。これは吸収の速いガスが吸収された結果、他のガスが肺内に補充されるためにおこると考えられている。2007年現在、笑気はこの用途に用いられることが多い。酸素は血液/ガス分配係数に従わないため2次ガス効果はないと考えられている。
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