専守防御とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 専守防御の意味・解説 

専守防衛

(専守防御 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/10 06:06 UTC 版)

専守防衛(せんしゅぼうえい、英語: Exclusively Defense[1])とは、第二次世界大戦後の日本の独自の防衛戦略の基本姿勢である[2]

類義語に「消極防衛」(パッシブ・ディフェンス)、対義語に「積極防衛」(アクティブ・ディフェンス)という概念がある。

日本

1954年昭和29年)に自衛隊と防衛庁が発足し、昭和30年防衛庁長官杉原荒太鳩山一郎の外交ブレーン、日ソ国交回復に貢献した)の国会答弁が初出とされる(第二十二国会衆議院内閣委員会議事録)。なお、戦前から専守防衛という熟語自体は存在している。

その後、中曽根康弘が長官だった1970年(昭和45年)に「防衛白書」が初刊され正式用語として記載される。

1981年(昭和56年)の白書において「専守防衛」とは、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神にのっとった受動的な防衛戦略の姿勢と記載され、その後の国会での内閣閣議決定答弁において定義として用いられている。

“日本の防衛”は、日米安全保障条約を基軸として、日本としての自衛隊アメリカ軍によるものであり、そのため先制攻撃・敵基地攻撃能力や、集団的自衛権自衛隊海外派遣等が議論される一方で、専守防衛の形骸化が指摘されるようになった[3]

他国

第二次世界大戦の敗戦国であるドイツは1990年代に方針転換しカンボジアソマリアユーゴスラビアなどへ海外派兵を開始、アフガニスタン派兵では死者を出すようになり、論争になっている[4]

脚注

  1. ^ Fundamental Concepts of National Defense”. 防衛省. 2016年11月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年6月12日閲覧。
  2. ^ 日本放送協会. “防衛白書制作物語 きっかけは渋谷109のポケモン レックウザ”. NHK政治マガジン. 2021年8月21日閲覧。
  3. ^ “反撃力保有へ歴史的転換 安保3文書、長射程ミサイル配備”. 共同通信. (2022年12月16日). https://web.archive.org/web/20221222074956/https://nordot.app/976392485558386688 2023年3月4日閲覧。 
  4. ^ ジェーソン・オーバードーフ (2013年11月12日). “専守防衛を捨てたドイツ軍の行く先は”. ニューズウィーク. https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2013/11/post-3098.php 2016年1月31日閲覧。 {{cite news}}: CS1メンテナンス: 先頭の0を省略したymd形式の日付 (カテゴリ)

関連項目




英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「専守防御」の関連用語

専守防御のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



専守防御のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの専守防衛 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS