寺苑・祠堂群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 14:28 UTC 版)
かつてプランバナン寺院には240基の祠堂が立ち並んでいた。 プランバナン寺院複合体の祠堂群 トリムルティ(三神一体)祠堂 : 3基 - シヴァ(中央)、ヴィシュヌ(北)、ブラフマー(南)の三大神に捧げられた3基の主要な祠堂。 ヴァーハナ祠堂 : 3基 - 各神のヴァーハナ(乗り物)であるナンディ(中央)、ガルーダ (北)、ハンサ(南)に捧げられた三大神の祠堂の前にある3基の祠堂。 アピット祠堂 : 2基 - トリムルティの祠堂とヴァーハナの祠堂の列の間に位置する内苑北側と南側にある2基の小祠堂。 クリル祠堂 : 4基 - 内苑の主要な四方の塔門(ゴープラ、尼: Gapura)のすぐ内側の主軸上にある4基の小祠堂。 パトック祠堂 : 4基 - 内苑の四隅にある4基の小祠堂。 プルワラ祠堂 : 224基 - 内苑を囲む同心の方形の4列に配置された数百基もの小祠堂。内列から外列に向けて小祠堂は、44基、52基、60基、68基を数える。 プランバナン寺院複合体は、ロロ・ジョングランの有名な伝説にちなんで名付けられたロロ・ジョングラン複合体としても知られる。このシヴァ派寺院群には、大小240基の祠堂があった。現在、内苑にある8基の主要な祠堂および8基の小祠堂はすべて修復されているが、かつてあった224基のプルワラ小祠堂(チャンディ・プルワラ、尼: Candi Perwara)は、そのうち3基が修復されているのみであり、大部分は崩壊して散在した石材だけが残る。 プランバナン寺院複合体は3重の寺苑により構成され、最初に外苑、次に数百基の小祠堂のある中苑、そして最後に主要な祠堂8基および小祠堂8基などがある最も神聖な内苑がある。プランバナンのヒンドゥー寺院複合体は、この全部で3重の寺苑を含めて正方形の配置に基づき、それぞれの寺苑は4つの塔門(ゴープラ)により通じる四方の周壁に囲まれている。外苑は、長大な周壁に囲まれた大空間である。もともと一辺およそ390メートルあった最も外側の周壁は、北東方向にずれ、約10数度傾いて配置されていた。しかし、南の門を除いて、この囲い地にあったほとんどは今日に残っていない。その外苑のかつての機能は不明であるが、そこは聖地であり僧院(アシュラム、Ashram)があったとも考えられる。しかし、寺院複合体の二次的構造物は有機素材で造られていたため、その遺構は残存しない。
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