富久娘酒造とは? わかりやすく解説

オエノンプロダクトサポート

(富久娘酒造 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/29 04:30 UTC 版)

オエノンホールディングス > オエノンプロダクトサポート
オエノンプロダクトサポート株式会社
OENON PRODUCT SUPPORT CO.,LTD.
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本
657-0864
兵庫県神戸市灘区新在家南町3-2-28
設立 1963年昭和38年)8月1日
(富久娘酒造株式会社)
業種 食料品
法人番号 5140001003958
事業内容 酒類・食品の製造販売
代表者 代表取締役社長 江辺 正英
資本金 5000万円
外部リンク https://www.oenon.jp/
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オエノンプロダクトサポート株式会社は、兵庫県神戸市灘区に本社を置く企業。オエノンホールディングスの子会社で、灘五郷の西郷(新在家地区)に醸造工場を有する。

2018年以前の旧社名は富久娘酒造株式会社(ふくむすめしゅぞう)。「富久娘」銘柄の清酒を醸造していた江戸時代からの蔵元(花木酒造)をルーツとする。第二次世界大戦後、変遷を経て一時は旭化成グループの清酒事業を担った。2003年にオエノングループ入りし、2018年に清酒事業をグループ他社に移管して(「富久娘」銘柄は福徳長酒類に移された)、社名を変更した。

沿革

花木家による経営

天和元年(1681年)の創業とされる。寛政5年(1793年)の新在家村の酒造家についての史料によれば、花木屋長兵衛ら花木屋を称する3人が4500石あまりの酒株高を有しており、米屋庄兵衛(のちの沢の鶴)らとともに有力な酒造家の一角であった[1]。江戸時代には、「芳名木」「盛大一」といった銘柄を用いていた[2]

明治時代に、東京・亀戸天神社の「おた福(福女)」にちなんで「富久娘」と名づけられた[3]

花木家(花木甚右衛門)は、日露戦争後に急速に拡大した酒造家の一つで1911年(明治44年)には造石高が1万石を越える大手の一角となった[4]。「富久娘」は東京市場において、「菊正宗」「桜正宗」「白鷹」「大関」ともに灘酒の五大銘酒として定評を得ていたという[5]。大正期には、下り酒問屋を通さず東京市場で直接進出を試み[6]、1910年代には一層造石高を増加させた[7]

富久娘酒造

1963年昭和38年)、花木酒造は経営破綻。旭化成工業が資本参加する東洋醸造によって事業が引き継がれ、「富久娘酒造株式会社」が設立された。その後、富久娘酒造は旭化成の子会社となった。

2003年、旭化成は富久娘酒造を合同酒精株式会社に譲渡。これにより、旭化成は清酒事業から撤退した。合同酒精は同年オエノンホールディングスに社名を変更し、持株会社化した(事業子会社として新たに「合同酒精」が設立された)。

2013年には日本酒の不正表示問題が発覚し、日本酒需要が拡大する中で波紋を広げ[8]、社長が更迭された[9]

2018年、清酒事業をグループ他社に譲渡。銘柄「富久娘」は福徳長酒類に、「富貴」は合同酒精東京工場に移管された。これとともに、商号を富久娘酒造株式会社からオエノンプロダクトサポート株式会社に変更した。

年表

拠点

本社・灘工場
  • 〒657-0864 神戸市灘区新在家南町3-2-28

提供番組

脚注

  1. ^ 灘・今津の酒株”. 灘の酒造業. 神戸市文書館. 2021年4月9日閲覧。
  2. ^ 灘・今津の酒株”. 灘の酒造業. 神戸市文書館. 2021年4月9日閲覧。
  3. ^ 富久娘”. オエノングループ. 2021年4月9日閲覧。
  4. ^ 二宮麻里 2013, p. 310.
  5. ^ 二宮麻里 2013, p. 315.
  6. ^ 二宮麻里 2013, p. 318.
  7. ^ 二宮麻里 2013, pp. 318–319.
  8. ^ 塚田紀史 (2018年5月13日). “不正をやる危ない会社は「組織図」でわかる”. 東洋経済. https://toyokeizai.net/articles/-/219258 2021年4月9日閲覧。 
  9. ^ “純米酒偽造問題で富久娘酒造社長を解任”. 日本経済新聞. (2014年2月27日). https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2701O_X20C14A2CC0000/ 2021年4月9日閲覧。 

参考文献

  • 二宮麻里「明治期から大正期にかけての灘酒造業: 問屋依存型販売からの脱却と新興商人の酒類流通への参入」『福岡大學商學論叢』第57巻3・4、2013年、2021年4月9日閲覧 

関連項目

外部リンク


富久娘酒造

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オエノンプロダクトサポート」の記事における「富久娘酒造」の解説

1963年昭和38年)、花木酒造経営破綻旭化成工業資本参加する東洋醸造によって事業引き継がれ、「富久娘酒造株式会社」が設立された。その後、富久娘酒造は旭化成の子会社となった2003年旭化成は富久娘酒造を合同酒精株式会社譲渡。これにより、旭化成清酒事業から撤退した合同酒精同年オエノンホールディングス社名変更し持株会社化した(事業子会社として新たに合同酒精」が設立された)。 2013年には日本酒の不正表問題発覚し日本酒需要拡大する中で波紋広げ社長更迭された。 2018年清酒事業グループ他社譲渡銘柄富久娘」は福徳長酒類に、「富貴」は合同酒精東京工場移管された。これとともに商号を富久娘酒造株式会社からオエノンプロダクトサポート株式会社変更した

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