家畜ふん堆肥
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/19 01:26 UTC 版)
最も堆肥化が行われているものが、家畜ふんの堆肥化である。使用されるのは主に牛ふん堆肥、豚ふん堆肥、鶏ふん堆肥である。 牛ふん堆肥は水分が高く速効性の肥料成分は少ない一方、難分解性有機物含量と緩効性の肥料成分が高い。牛ふん堆肥では牛に給餌する飼料に粗飼料が多いとカリウムは高くなる一方、窒素、りん酸、石灰は低くなり、土壌中での分解も遅くなる。一般的に豚ふん堆肥、鶏ふん堆肥よりもリグニンや炭水化物が多く窒素の肥効率は低い。 豚ふん堆肥は、窒素は鶏ふん堆肥よりは少なく、牛ふん堆肥よりは高く、石灰は牛ふん堆肥よりも高く、カリウムは牛ふん堆肥よりも低い傾向にある。また、豚ふん堆肥は、一般的に銅や亜鉛含量が他の畜種の堆肥よりも高い。 鶏ふん堆肥はC/N比が小さく、石灰含量が他の畜種の堆肥よりも高い。鶏ふん堆肥には木質系資材を混合したものと混合していないものとがあり肥効が異なる。なお、堆肥は日本では肥料の品質の確保等に関する法律上の特殊肥料に分類されるが、肥料成分の含有量等が保証された一部の鶏ふんは普通肥料である「加工家きんふん肥料」として登録・販売されている。 豚ふん堆肥と鶏ふん堆肥は水分が低く、特にりん酸の肥料成分が多いが難分解性有機物含量は少ない(炭水化物は豚ふん堆肥と鶏ふん堆肥で同程度)。豚ふん堆肥と鶏ふん堆肥は肥料系、牛ふん堆肥は土づくり系の資材とされている。
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