実験結果に基づく研究
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 05:09 UTC 版)
当時は現場教師が国定教科書を批判することは危険なことであった。そうした中で廣田が徹底した児童本意の算数教授法改革を主張できたのは、聚楽式算数教授法の実験結果だった。廣田は「聚楽式の特徴である数の範囲の拡張の効果は、実験的に明らかだ」としている。 廣田は当時の観念的な算術教育研究を否定して、教育の実際に基づいた研究の必要を提唱していた。また「現場教師の多くが自分が昔からやってきた方法や高等師範学校の付属小学校の方法にとらわれすぎる傾向にある」と批判した。「実験の結果、まずもって教材の選択および配列の研究調査が肝要である。しかるに現在の初等教育学者は、やれ数の性質がどうだの、数の原理がどうだのとずいぶん難しい理屈は言っているが、教材の選択および配列ということを実際上から研究していないのは遺憾である。やれ西洋のコメニウスがこう言った、ムギニュースがこう言った、カントがこう言ったことのみを証拠にして自分の議論を立てている」と批判した。 廣田はいったん実験結果が出たことに対しては勇ましい態度を見せたが、まだ実験的に明らかにされていないことに対しては慎重な姿勢を見せている
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