実形との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/09/30 07:34 UTC 版)
詳細は「実形(英語版)」を参照 g を実数体上の半単純リー環とする。カルタンの判定条件(英語版)によって、キリング形式は非退化であり、適当な基底によって対角成分が ±1 の対角行列に対角化できる。シルヴェスターの慣性法則によって、正の成分の個数は双線型形式の不変量である、すなわち、対角化する基底の取り方に依らない。その個数をリー環 g の指数 (index) と呼ぶ。これは 0 と g の次元の間の数であり、実リー環の重要な不変量である。とくに、実リー環 g は、キリング形式が負定値のときコンパクト (compact) と呼ばれる。リー対応(英語版)のもと、コンパクトリー環(英語版)はコンパクトリー群(英語版)に対応することが知られている。 gC が複素数体上の半単純リー環であれば、複素化(英語版)が gC となるようないくつかの非同型な実リー環が存在する。これらをその実形 (real form) と呼ぶ。任意の複素半単純リー環には(同型の違いを除いて)一意的なコンパクト実形 g があることが分かる。与えられた複素半単純リー環の実形はしばしばキリング形式の inertia の正の指数によってラベルづけされる。 例えば、複素特殊線型環 sl(2, C) は2つの実形を持つ。1つは実特殊線型環 sl(2, R) であり、もう1つは特殊ユニタリ環 su(2) である。前者は非コンパクトであり、いわゆる split real form であり、そのキリング形式の符号は (2, 1) である。後者はコンパクト実形でありそのキリング形式は負定値である、すなわち符号 (0 ,3) を持つ。対応するリー群はそれぞれ、行列式が1の 2 × 2 実行列の非コンパクト群 SL(2, R) と、コンパクトな特殊ユニタリ群 SU(2) である。
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