定常状態のシュレディンガー方程式による導出とは? わかりやすく解説

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定常状態のシュレディンガー方程式による導出

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/21 09:20 UTC 版)

リップマン–シュウィンガー方程式」の記事における「定常状態のシュレディンガー方程式による導出」の解説

散乱状態定常状態と見なせる場合考える。弾性散乱がこれに対応する入射してくる自由粒子ハミルトニアンH 0 ^ {\displaystyle {\hat {H_{0}}}} とする。 入射粒子エネルギー固有値エネルギー固有状態の組は、以下の固有値関係を満たさなければならないH 0 ^ | ϕ ⟩ = E | ϕ ⟩ ⋯ ( 1 ) {\displaystyle {\hat {H_{0}}}|\phi \rangle =E|\phi \rangle \quad \cdots (1)} 実験者がある決まったエネルギー粒子入射させたとする。つまりいくつもある「 H 0 ^ {\displaystyle {\hat {H_{0}}}} のエネルギー固有値 E {\displaystyle E} ・エネルギー固有状態 | ϕ ⟩ {\displaystyle |\phi \rangle } の組」の中から1つ実験者が選んだとし、以下の議論では E {\displaystyle E} と | ϕ ⟩ {\displaystyle |\phi \rangle } は決まっているとする。 散乱状態を表すハミルトニアンが、以下のように自由粒子ハミルトニアン H 0 ^ {\displaystyle {\hat {H_{0}}}} と相互作用 V ^ {\displaystyle {\hat {V}}} で書けるとする。 H ^ = H 0 ^ + V ^ {\displaystyle {\hat {H}}={\hat {H_{0}}}+{\hat {V}}} H ^ {\displaystyle {\hat {H}}} は以下の固有関係式をみたす多数エネルギー固有値 E {\displaystyle E} ・エネルギー固有状態 | ψ ⟩ {\displaystyle |\psi \rangle } の組を持っている。 ( H 0 ^ + V ^ ) | ψ ⟩ = E | ψ ⟩ ⋯ ( 2 ) {\displaystyle ({\hat {H_{0}}}+{\hat {V}})|\psi \rangle =E|\psi \rangle \quad \cdots (2)} 弾性散乱では入射状態のエネルギー散乱状態エネルギー等しい。よって入射状態のエネルギーはすでに決まっているため、散乱状態エネルギー固有値もすでに指定されている。弾性散乱散乱理論では、そのエネルギー固有値対応するエネルギー固有状態求めのである。よってこれは固有値問題ではなく、(1)式が境界条件となっている微分方程式である。 エネルギー固有値連続性のため、 V ^ → 0 {\displaystyle {\hat {V}}\to 0\,} のとき | ψ ⟩ → | ϕ ⟩ {\displaystyle |\psi \rangle \to |\phi \rangle \,} とならなければならない。 解くべき式は(2)であり、その中の E {\displaystyle E} は(1)を満たすような値でなければならない。解の候補として以下が考えられる。 | ψ ⟩ = | ϕ ⟩ + 1 E − H 0 ^ V ^ | ψ ⟩ {\displaystyle |\psi \rangle =|\phi \rangle +{\frac {1}{E-{\hat {H_{0}}}}}{\hat {V}}|\psi \rangle \,} これは両辺に E − H ^ 0 {\displaystyle E-{\hat {H}}_{0}} を作用させると、(1)を満たすならばたしかに(2)が満たしていることがわかる。 しかし E {\displaystyle E} は H 0 ^ {\displaystyle {\hat {H_{0}}}} の固有値であるために、演算子 ( E − H ^ 0 ) {\displaystyle (E-{\hat {H}}_{0})} は特異性がある。この特異性分母わずかに複素数にすることで解消される。 | ψ ( ± ) ⟩ = | ϕ ⟩ + 1 E − H 0 ^ ± i ϵ V ^ | ψ ( ± ) ⟩ {\displaystyle |\psi ^{(\pm )}\rangle =|\phi \rangle +{\frac {1}{E-{\hat {H_{0}}}\pm i\epsilon }}{\hat {V}}|\psi ^{(\pm )}\rangle \,}

※この「定常状態のシュレディンガー方程式による導出」の解説は、「リップマン–シュウィンガー方程式」の解説の一部です。
「定常状態のシュレディンガー方程式による導出」を含む「リップマン–シュウィンガー方程式」の記事については、「リップマン–シュウィンガー方程式」の概要を参照ください。

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