定常状態モデルによる予測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/19 01:03 UTC 版)
「プロトン化水素分子」の記事における「定常状態モデルによる予測」の解説
光路長を仮定することで、星間雲(高密度および低密度)での H3+ の柱密度について、岡は定常状態モデルを使って予測値を算出している。高密度雲、低密度雲両方で生成過程は同一と考えられている。一方、消滅過程はそれぞれの雲で違うと考えられている。高密度雲での消滅過程は一酸化炭素へのプロトン移動によるものである。この機構から考えられる定常状態での H3+ の密度は、およそ 10−4 cm−3 である。 n(H3+) = (ζ/kCO)[n(H2)/n(CO)] ≈ 10−4 cm−3 希薄な分子雲では電子との解離的中和反応である。この機構から考えられる定常状態での H3+ の密度は、およそ 10−6 cm−3 である。 n(H3+) = (ζ/ke)[n(H2)/n(C+)] ≈ 10−6 cm−3 希薄な分子雲は高密度の分子雲より大きく、光路長がおよそ100倍大きいと考えられるので、観測される柱密度はほぼ同程度であると予測される。したがって、 H3+ は雲の大きさを測るプローブになりえる。
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