完全犯罪の崩壊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/21 02:26 UTC 版)
得意満面なヘイグは警察の捜査にかなり協力的であり、犯行の一部始終を話していた。しかし、ヘイグはここでミスを犯している。硫酸による溶解で完全に人体が消滅すると思っていたヘイグは、遺留物を発見が困難な下水や海などに流すことなく、ドラム缶を転がして移動させ、中の硫酸と遺留物を比較的発見が容易な庭に遺棄していた。これを自供から知った警察は、倉庫内から庭までドラム缶が転がされた跡を綿密にたどって遺棄地点を探し出し、その地帯の土壌を徹底的に調べ上げた。すると、硫酸が溶かしきれなかった人体の脂肪、人骨、胆石、入れ歯などがわずかながら発見された。人骨や胆石などがディーコン夫人の特徴と一致したうえ、入れ歯が彼女の歯科医によりディーコン夫人のものであると証明されたことにより、ヘイグは逮捕された。 その後、公判中もヘイグは物的証拠の少なさから死刑にはならないと思っていたのか、自ら主張する精神異常を装うためか、「被害者の血を飲んだ」と供述したり、クロスワードパズルに熱中したりしていた。だが、陪審員は評議に入ってからわずか5分で全員一致の謀殺罪で有罪の評決を出し、ヘイグに死刑判決が下された。 1949年8月10日、ヘイグはロンドンのワンズワース刑務所(英語版)でアルバート・ピアポイントの手により、絞首刑となった。
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