安定化ジルコニア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/18 19:54 UTC 版)
安定化ジルコニアは、酸化物無添加のジルコニアに比べて、強度、及び靭性などの機械的特性に優れる。これは、破壊の原因となる亀裂の伝播を正方晶から単斜晶への相変態によって阻害し、亀裂先端への応力の集中を緩和するからである。この特異なメカニズムを「応力誘起相変態強化機構」と言い、最大で正方晶の約40パーセントが単斜晶に変態する。また、変態を完全に抑制した完全安定化ジルコニアよりも、添加剤の量を減らしてわずかに変態出来るようにした、部分安定化ジルコニアの方が機械的特性に優れることが知られている。 安定化ジルコニア(特にイットリア安定化ジルコニア (YSZ))はイオン伝導性に優れており、高温で固体電解質となり、燃料電池や酸素センサの材料として用いられる。また近年、金属に変わる差し歯やブリッジの歯科治療材料としても着目されている。
※この「安定化ジルコニア」の解説は、「ジルコニア」の解説の一部です。
「安定化ジルコニア」を含む「ジルコニア」の記事については、「ジルコニア」の概要を参照ください。
- 安定化ジルコニアのページへのリンク