学習物理学
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機械学習および データマイニング |
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学習物理学(がくしゅうぶつりがく 英: Machine Learning Physics)とは、物理学と機械学習の2分野の垣根を超えて互いの分野の発展を目指して作られた学問である[1]。
古典力学と機械学習
物理学情報ニューラルネットワーク・PINNs
古典物理学の法則は通常、微分方程式で記述される。機械学習では、そのような微分方程式を解く順問題と、解の振る舞いが知られている場合にそれが従う物理法則を探求するという逆問題の両方に対応可能である。これらを機械学習で解決する代表的手法が Physics-Informed Neural Networks(PINNs)[注釈 1] であり、これは偏微分方程式で表される物理法則をニューラルネットワークの損失関数に組み込んで学習する手法である。ニューラルネットワークは万能近似定理により、十分に大きければ任意の関数を近似できるため、物理の場、いわゆる時空の関数を表現できる可能性がある。関数
層内のユニットに空間的な意味を持たせるなら、全結合ニューラルネットワークよりも局所性を持つ畳み込みニューラルネットワークを用いるべきである。右図の縦方向を座標
一次元横磁場イジング模型のハミルトニアンは
学習物理学ではトランスフォーマは場の理論の相互作用の一種であると考えられる。場の理論では高次の相互作用が運動方程式に存在するが、自身の積を取る構造はトランスフォーマの自己注意機構と似ている。[2]重みをゲージ場、バイアスをヒッグス場と解釈すると、ニューラルODEの対称性が重力場の基本対称性と一致する。なので、ニューラルネットワークは重力と時空構造と等価な幾何学的存在である。[3]
年表


- 2017年ー橋本幸士は、2017年、ある研究会を開いた。その中である講演者が見せたオートエンコーダがAdsブラックホールのペンローズ図のように見えた。そこから、物理学にAIを適用できるかもしれないと考えた。[4]
- 2022年ー「『学習物理学』の創成ー機械学習と物理学の融合新領域による基礎物理学の変革」という領域が誕生[5]
- 2023年-学習物理学の国際会議が開かれる。[6]
背景
2016年、橋本幸士ら物理学者は日本物理学会の年次大会の講演を聞くためにある会場から他の会場へと走っていた。原子核理論の講演会場へあるところの講演会場向かおうとする時、走っている物理学者たちは機械学習を物理学に適用したいといった趣旨を持った物理学者たちだった。その後、その物理学者たちは飲み会に行き、現在「学習物理学」を研究している研究者が集まった。そしてその三ヶ月後、AIを物理学の問題に適用した物理学者たちが講演する研究会が開かれた。その時に「学習物理学」が生まれた。[4]これらの研究は計算物理学、素粒子物理学、原子核物理学、物性物理学、量子重力論、統計力学にまで及んでいる。その波を産む基礎となっているため、2022年度、橋本幸士を代表とする「『学習物理学』の創成-機械学習と物理学の融合新領域による基礎物理学の変革」(通称:学習物理)と言う領域が発足した。[5]
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f 『学習物理学入門』朝倉書店。ISBN 978-4-254-13152-9。
- ^ “Jstage 論文”. 2025年8月8日閲覧。
- ^ “橋本,広野,三内 Mach,Learn:Sci.Tenchnol.5 025079”. 2025年8月8日閲覧。
- ^ a b 『物理学者のすごい日常』インターナショナル新書。 ISBN 978-4-7976-8141-3。
- ^ a b “学術変革領域研究A”. 2025年7月18日閲覧。
- ^ “学習物理学国際会議ホームページ”. 2025年8月15日閲覧。
関連項目
- 学習物理学のページへのリンク