太陰太陽暦との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 03:49 UTC 版)
月は地球に対して公転し、その周期はほぼ一定である。その周期平均は平均朔望月といい、2015年時点では、29.530589日である。太陰暦では、1朔望月を1月(ひとつき)とし、さらに12月を1年(1太陰年)とする。1太陰年は、29.530589日×12 = 354.36707日である。1月(ひとつき)が29日の月(小の月)と、30日の月(大の月)をそれぞれ6回ずつ設け、1太陰年を354日とすると、1年につき0.36707日の誤差が出るので、3年に1回程度、小の月の日数を1日増やして1太陰年を355日とする必要がある。太陰暦では、この1太陰年が355日となる年が閏年であり、ヒジュラ暦では30年間に11回、閏年を設けている(0.36707日×30=11.0121日)。 一方、1太陰年は1太陽年(365.242189日)に比べて約11日短く、季節に対して3年で1月以上の誤差が出る。純粋太陰暦では、この誤差に対する調整は行われず、同じ日付でも年ごとに季節は次第に変わっていき、おおよそ33年で元の季節に戻ることになる。後述するように太陰太陽暦では閏月を設けてこれを調整し、閏月を設けた年が閏年と呼ばれる。 歴史的に使われてきた純粋太陰暦は、ほぼヒジュラ暦に限定される。そのヒジュラ暦もイスラム以前の太陰太陽暦から派生したものであり、一部の月名が季節に由来していること(ラビー・ウル・アッワル月=第1の春の月、など)にその名残りを留めている。
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