天井のしみ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/06 20:22 UTC 版)
昭和・平成の妖怪関連の書籍では、長い舌をつかってほこりの集った天井をなめる妖怪であり、天井の板などに発生する「しみ」はこのなめ跡であると解説されている。天井以外にも柱や壁もなめるとも、天井嘗によってつけられたしみは、ときには化け物や恐ろしい表情の人間の顔に見えるため、寝床でそれを見上げている人は恐怖に駆られ、ついには発狂して死んだ者もいた述べられていることもある。 民俗学者・藤澤衛彦は著書のなかで「古屋敷・古堂の天井にしみあるは此怪物の甞(な)めし跡」と紹介しており、山田野理夫の解説には、館林藩(現・群馬県館林市)の武士が天井嘗を捕まえ、館林城の天井のクモの巣や汚れをなめとらせ大掃除をさせたという話が記している。これらの解説が、昭和・平成以降の天井嘗の解説に付与されていったものと見られるが、実際には天井嘗は石燕の創作物と考えられているため、館林城の話は少なくとも石燕の『百鬼徒然袋』刊行後に発生したものであろうと指摘されている。
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