大質量星の限界
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/04/17 08:02 UTC 版)
「質量の大きい恒星の一覧」の記事における「大質量星の限界」の解説
かつては、太陽質量の40倍程度が恒星質量の上限であろうとされたが、後の観測データの蓄積と充実により、さらに大きな質量もあることが分かってきた。ただし、恒星の質量が極めて大きい場合、核融合のエネルギーによってガスが膨張しようとする放射圧が、押さえつける力である重力を上回るため、安定して質量を維持できず、大量のガスを放出して質量を減らすと考えられる。いわゆる質量放出である。このような恒星では、誕生時から質量を減らし続けるため、誕生直後と現在の質量は大きく異なる。このような例はりゅうこつ座η星Aやピストル星で見られる。 放射によって自らの質量を安定して維持できなくなる限界質量はエディントン限界と呼ばれ、その限度は理論的には太陽の120倍の質量であると考えられているが、まだはっきりしておらず、その探索は現在でも続いている。大質量星を多く含むアーチ星団の観測では、太陽の150倍を超える質量の恒星は発見されていない。 従来、ビッグバンから間もない時期にできた最初の恒星は質量が太陽の数百倍もある超巨大星ではないかと推定されてきたが、最近の研究では、せいぜい太陽質量の50倍以下であったとの結果が発表されている。
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