大質量超巨星の熱核反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 16:27 UTC 版)
「いっかくじゅう座V838星」の記事における「大質量超巨星の熱核反応」の解説
いっかくじゅう座V838星は、非常に質量が大きい超巨星であるとする説。その場合、増光は恒星の核の外側にあるヘリウム層で爆発的に核融合反応が起こる、いわゆる殻ヘリウムフラッシュと考えられる。非常に質量が大きい恒星は、何度もヘリウムフラッシュを起こしながらウォルフ・ライエ星へと進化し、その間に主系列時の質量のおよそ半分に及ぶ大量の物質を放出するので、星周塵の層が見えることも説明が付く。いっかくじゅう座V838星の位置は、銀河系円盤の端に近いので、一般的に星形成が活発でなく、非常に大質量の恒星が誕生することはあまり期待できない領域である。しかし、Ruprecht 44やNGC 1893といった非常に若い散開星団が、銀河系中心からそれぞれ7kpc、6kpc離れた場所に存在する例もあり、可能性はある。しかし、この説だと爆発前のウォルフ・ライエ星は表面温度がおよそ50,000Kになるが、それ程の高温にもかかわらず周囲のガスが電離していない点に矛盾があり、増光前に観測された15等級という明るさも、暗すぎると指摘されている。
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