大護寺前駅
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/08 18:46 UTC 版)
「高松琴平電気鉄道市内線」の記事における「大護寺前駅」の解説
大護寺前駅は開業当初「八本松駅」という名称であった。八本松というのは八本の松があることに由来する広場状の辻の名前で、現在の天神前交差点にあたる。大護寺というのはそこから南進して西側に位置していた大寺である。この山門にある松は枝が道路上に大きくせり出すほどの大木であり、市内線建設時にはそれが障害となって架線を支える電柱が建てられなかった。会社側は寺に対してこのせり出した枝を切らせてもらえるよう交渉をしたが、あえなく断られ、やむなくこの部分のみは複数の鉄柱を組み合わせて枝を取り囲むような構造で建設した。当時は電柱といえば木造が普通であり、複数の鉄柱を使用し、なおかつ複雑な構造にしたことで建設費が増大する結果となった。 そのような紆余曲折がありながらも何とか開通にこぎつけたが、開通後大護寺から苦情が入る。この鉄柱を足場にして寺の土塀を乗り越え、泥棒が入るという。これを受けた会社側は対策として鉄柱の周囲に鉄板を張ったが、以後も寺からは様々な理由で苦情が入った。寺と会社側は大いに揉めた挙句、会社側が大きく妥協して寺の最寄り駅であった八本松駅を大護寺前駅に改称して、それを以って寺の宣伝とすることで決着した。以後、駅の正式名は大護寺前となったが、八本松に位置するという所在は変わらなかったため、この駅は通称として引き続き八本松とも呼ばれていた。
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