大戸藩とは? わかりやすく解説

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大戸藩

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/15 14:43 UTC 版)

大戸藩(おおどはん)は、上野国吾妻郡大戸村(現在の群馬県吾妻郡東吾妻町大戸)を領地として、徳川家康の関東入部時から大坂の陣まで存在したとされる。ただし藩主とされる岡成之の系譜や事績も含めて実態がはっきりせず、藩の存在に懐疑的な見解もある。


注釈

  1. ^ 徳川家康の関東入部後、大給松平近正が5500石で入った。
  2. ^ 江戸時代初期以前の「藩」については、居所や藩領域に関する記録が明確でないことも珍しくない。たとえば『角川日本地名大辞典』は、上野国にあるとされた阿保藩について「藩の存立には疑問が残されている」[12]、上野青柳藩について「居所や藩領域が不明で、青柳藩と呼ぶことには疑問がある」といった見解を示している[13]。また、限られた史料の中で藩主名や所在地などが誤伝されることも珍しくない。たとえば武蔵国鳩ヶ谷で5000石を与えられた阿部正勝の居所を、相当する地名が存在しない「武蔵国市原」としたり、さらには「伊豆国市原」と記す史料が存在する(鳩ヶ谷藩参照)。
  3. ^ 通称「加部安」。「加部安左衛門」は当主によって襲名される名で、歴代のうちでは7代加部重実・8代加部光重、江戸時代後期の10代加部兼重、幕末明治期の12代加部嘉重が著名である[17]
  4. ^ 大戸関所は、寛永8年(1631年)に幕府によって設置された[15]。その前身となる関所が、寛永6年(1629年)まで大戸村の西にあたる本宿村関谷にあり、これはもともと戦国期に真田氏が設置したものという[5]。ただし本宿村自体が寛永20年(1643年)に大戸村から分村した村であるという叙述もある[8][18]。なお、大戸関所は江戸時代後期に国定忠治が処刑された地として知られる[8]

出典

  1. ^ 『歴史の道調査報告書 信州街道』, p. 3.
  2. ^ 『歴史の道調査報告書 信州街道』, pp. 7–9.
  3. ^ a b c d e f g 『群馬県史 第2巻』 1917, p. 18.
  4. ^ a b 『角川新版日本史辞典』, p. 1298.
  5. ^ a b c d 『歴史の道調査報告書 信州街道』, p. 7.
  6. ^ a b c 清田黙 (1891年). “徳川加封録・徳川除封録”. 鴎夢吟社. p. 巻2之15-16. 2023年6月15日閲覧。
  7. ^ a b c 大戸藩(近世)”. 角川日本地名大辞典. 2023年2月28日閲覧。
  8. ^ a b c d e f g h 大戸村(近世)”. 角川日本地名大辞典. 2023年2月28日閲覧。
  9. ^ 『藩と城下町の事典』, p. 139.
  10. ^ 『群馬県吾妻郡誌』, p. 1097.
  11. ^ 『群馬県吾妻郡誌』, pp. 242, 274, 1097.
  12. ^ 阿保藩”. 角川日本地名大辞典. 2022年10月7日閲覧。
  13. ^ 青柳藩(近世)”. 角川日本地名大辞典. 2023年2月26日閲覧。
  14. ^ 『歴史の道調査報告書 信州街道』, pp. 3–4.
  15. ^ a b 『歴史の道調査報告書 信州街道』, p. 8.
  16. ^ 大戸(中世)”. 角川日本地名大辞典. 2023年2月28日閲覧。
  17. ^ 元群馬No.1大富豪「加部安左衛門」”. マイロックタウン東吾妻. 東吾妻村企画課. 2023年2月28日閲覧。
  18. ^ 本宿村(近世)”. 角川日本地名大辞典. 2023年2月28日閲覧。
  19. ^ a b c d 『寛政重修諸家譜』巻第千百二十二「岡」、国民図書版『寛政重修諸家譜 第六輯』p.842
  20. ^ 成羽町史 通史編 目次”. 国立国会図書館サーチ. 2023年3月1日閲覧。
  21. ^ 大西泰正 2019, Kindle版位置No.4170/4618.


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