多属性効用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/09/27 08:16 UTC 版)
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多属性効用(たぞくせいこうよう、英: Multi-attribute utility)は、経済学や意思決定理論において、エージェント(経済主体)が確実性の下でも、また不確実性の下でも、複数の属性(財や結果)に対して持つ選好を表すために用いられる効用概念のこと。
定義
ある人が二つ以上の選択肢の中から決定を行う必要があるとする。この決定は、選択肢が持つ「属性」に基づいて行われる。最も単純な場合は属性が一つだけ、例えば「金銭」である。このとき、多くの人は「お金は多い方がよい」と考えるので、問題は単純である。より多くの金額を与える選択肢を選べばよい。しかし、現実には属性は二つ以上ある。例えば、月給12,000ドルと20日の休暇を与える職(選択肢A)と、月給15,000ドルだが休暇は10日しかない職(選択肢B)を比較する場合、決定は(12K,20)と(15K,10)の二つの組み合わせの間でなされる。このとき人々の選好は異なるかもしれない。一定の条件の下では、選好を数値関数で表すことができる。序数的効用の記事は、このような関数の性質や計算方法の一部を説明している。
もう一つの要因は「不確実性」である。少なくとも4つの不確実性の源泉(属性の結果自体や、意思決定者が持つ個々の属性効用関数の形状、重み定数の値、属性効用関数が加法的かどうか)があるが、ここでは「属性レベルのランダム性」に限定する。不確実性は単一属性の場合でも生じる。例えば、選択肢Aが「50%の確率で2ドルを得るくじ」、選択肢Bが「確実に1ドルを得る」ならば、決定は〈2:0.5〉と〈1:1〉の間で行われる。一定の条件下で選好は数値関数で表せ、そのような関数は基数的効用と呼ばれる。フォン・ノイマン=モルゲンシュテルンの効用定理では、基数的効用の算定方法が示されている。
さらに一般的な状況は「複数の属性」と「不確実性」の両方が存在する場合である。例えば、選択肢Aが「50%の確率でリンゴ2個とバナナ2本、50%の確率で何も得ない」くじで、選択肢Bが「確実にバナナ2本を得る」場合、決定は〈(2,2):(0.5,0.5)〉と〈(2,0):(1,0)〉の間で行われる。このとき選好は複数変数の基数的効用で表せる[1]:26–27。
目標は、バンドルの宝くじに対する選好を表す効用関数 カテゴリ
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