二塩化バナジウム
塩化バナジウム(II)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/11/02 01:44 UTC 版)
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| 物質名 | |||
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Vanadium(II) chloride |
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別名
Vanadous chloride |
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| 識別情報 | |||
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3D model (JSmol)
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| ChemSpider | |||
| ECHA InfoCard | 100.031.057 | ||
| EC番号 |
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PubChem CID
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| RTECS number |
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| UNII | |||
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CompTox Dashboard (EPA)
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| 性質 | |||
| VCl2 | |||
| モル質量 | 121.847 g/mol | ||
| 外観 | 淡い緑色の固体 | ||
| 密度 | 3.230 g/cm3 | ||
| 融点 | 1,027 °C (1,881 °F; 1,300 K) | ||
| 沸点 | 1,506 °C (2,743 °F; 1,779 K) | ||
| 溶ける | |||
| 磁化率 | +2410.0·10−6 cm3/mol | ||
| 構造 | |||
| CdI2 | |||
| 8面体 | |||
| 危険性 | |||
| 労働安全衛生 (OHS/OSH): | |||
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主な危険性
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酸素と速やかに反応する | ||
| GHS表示:[1] | |||
| Danger | |||
| H302, H314 | |||
| P260, P264, P270, P280, P301+P312, P301+P330+P331, P303+P361+P353, P304+P340, P305+P351+P338, P310, P330, P363, P405 | |||
| 関連する物質 | |||
| その他の 陰イオン |
臭化バナジウム(II) ヨウ化バナジウム(II) |
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| その他の 陽イオン |
塩化マンガン(II) 塩化クロム(II) 塩化チタン(III) |
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| 関連物質 | 塩化バナジウム(III) 塩化バナジウム(IV) |
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特記無き場合、データは標準状態 (25 °C [77 °F], 100 kPa) におけるものである。
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塩化バナジウム(II)(えんかバナジウム(II)、Vanadium(II) chloride)は化学式が VCl2 と表される無機化合物である。既知のバナジウムの塩化物の中で最も酸化数が低い。バナジウムの電子配置は d3 の四重項状態で、Cr(III) のものと等しい。塩化バナジウム(II) の外見は塩化ナトリウムの結晶のような固体で、V-Cl結合が繋がって高分子状になっている。他の二ハロゲン化物 VBr2 や VI2 も知られており、VCl2 と構造的、化学的性質が類似している。
合成
VCl3 に熱を加えると不均化して VCl4 と VCl2 に変わる。VCl4 は揮発性であり、VCl2 が残る。
性質
VCl2 は強力な還元剤で、ハロゲン化アルキルを還元的にカップリングできるだけでなく、スルホキシドをスルフィドに、有機アジドをアミンにまで還元することができる。いくつかの誘導体は窒素分子をヒドラジンとアンモニアに還元できることも分かっている。
VCl2 は水に溶けると [V(H2O)6]2+ イオンを生成する。この水溶液を蒸発させると [V(H2O)6]Cl2 の結晶が生じる。
参考文献
- Holleman, A. F.; Wiberg, E. "Inorganic Chemistry" Academic Press: San Diego, 2001. ISBN 0-12-352651-5.
- Young, R. C.; Smith, M. E. "Vanadium(II) Chloride" Inorganic Syntheses volume IV, page 126-127, 1953.
- ^ “Vanadium dichloride” (英語). pubchem.ncbi.nlm.nih.gov. 2021年12月12日閲覧。
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