均衡のプロセス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/30 12:49 UTC 版)
金本位制には、国際収支を均衡させる効果があると考えられている。複数の国が存在していて、それらの国が金本位制を採用している場合、流通している通貨が異なっても事実上「金」が世界共通の通貨であることになる。 例えば、経常収支の均衡しているある国がある。 設備投資が活発になり好況になったとする。 国内の貯蓄がそれまでと変わらなかった場合、経常収支は赤字となる。 経常収支の赤字は輸入による自国通貨(金)の流出が、輸出による自国通貨(金)の流入を上回ることである。 このことは国内の通貨残高減少を意味する。 通貨減少により国内の金利は上昇し設備投資が減少する。 景気は経常収支が均衡するまで沈静化し、やがてバランスをとる。 このプロセスにおいて、金利上昇時に国外からの資本流入が起きると、設備投資は減少せず、経常収支も均衡しない。経常収支と資本収支の合算が均衡している限り国内の金は増減せず国際収支は均衡する。 逆のプロセスとして不景気に陥った際も金の流入がプラスになれば景気が回復する。 一方、輸出入だけに着目した説明もある。こちらは初学者でも分かりやすい。 例えば、国内の物価が上がれば輸出減・輸入増となる。輸入超過分は最終的に自国の正貨で支払う。正貨が減ると通貨の発行額も減り、不況となって物価が下がる。この下落によって輸出増・輸入減となる。こうして正貨は回収される。
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