国学_(律令制の教育機関)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > 国学_(律令制の教育機関)の意味・解説 

国学 (律令制の教育機関)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/13 05:55 UTC 版)

国学(こくがく)とは、律令制において、官人育成のために各国に設置された地方教育機関。なお、大宰府に設置された府学(ふがく)もほぼ同一のものである。

大宝律令によって設置が定められ、各国の国府に1校の併設が義務付けられた。入学資格としては郡司の子弟のうち13-16歳の聡明な者とされていたが、学生定員に欠員がある場合は庶民の子弟の入学を許した。生徒には官人候補者にあたる学生(がくしょう)と医師候補者の医生(いしょう)がおり、その数は国の規模によって違っていた。

  • 大国…学生50名 医生10名
  • 上国…学生40名 医生8名
  • 中国…学生30名 医生6名
  • 下国…学生20名 医生4名

教育課程は中央の大学寮典薬寮とほぼ同じ内容であったと考えられ、卒業者は試験の結果によっては官人に登用されたり大学寮や典薬寮に入る資格を得ることが出来た。757年には中央の制度改革に伴って学生が細分化されて講経生・傅生・医生・針生・天文生・陰陽生・暦算生に分かれた。教官としては各国毎に国博士(くにのはかせ)・国医師(くにのいし)を各1名ずつ置く事が定められていたが、人材難に悩まされて国学が置かれない国や一人の教官が複数国を担当することも珍しくなく、各国で制度が整ったのはようやく奈良時代末期になってからであると考えられている。また、国博士や国医師が史生と同等に扱われて国府の業務に動員されていた記録も存在する。

だが、平安時代に入ると律令制度の崩壊とともに国学も衰退し、11世紀に入る頃までにはほぼ消滅した。記録上でも平安時代末期の12世紀初期を最後に姿を消し、このころに廃絶されたと考えられている。


「国学 (律令制の教育機関)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「国学_(律令制の教育機関)」の関連用語

国学_(律令制の教育機関)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



国学_(律令制の教育機関)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの国学 (律令制の教育機関) (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS