図書館棟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/11 16:40 UTC 版)
図書館棟(Bibliotheksbau)は、名目上ここにあったとされる図書館にちなんで名付けられた。 図書館棟(かつては、やはり誤ってルドルフ館(Rudolfsbau)とも呼ばれた)は、ループレヒト館と婦人部屋棟との間に位置する。この建物は後期ゴシック様式の建築、ルートヴィヒ5世によって1520年から1544年の間に建てられた。現存する最も重要な箇所は上階の中庭に向かう張り出し部である。 いわゆる図書館棟は城の西側にある婦人部屋棟と隣接する。この建物は17世紀にこの紛らわしい名前で呼ばれるようになった。選帝侯の書籍を収めた重要な図書館は、実際にはここではない。1階のヴォールトの部屋には選帝侯のテーブルが置かれ、食堂となっていた。食堂となったのは16世紀で、このころ選帝侯は毎日宮廷に通うことをせず、この建物の上階にあった個室にこもってしまっていた。 図書館棟は、上階にまで石造りのヴォールトがあることで、他の16世紀の遺構と区別される。この建物は図書館ではなく、選帝侯の硬貨の貯蔵庫であったことが判明した。図書館棟は、この城と宮廷の金庫であった。1階の壁の厚さは3mに及ぶ。どっしりとした1階に対して、上階は室内の高さが6.60mもある広間になっていた。図書館棟は1689年のフランス軍の攻撃を免れた唯一の宮殿であったが、1693年に破壊された。
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