団体交渉権とストライキ権の付与
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 14:22 UTC 版)
「労働基本権」の記事における「団体交渉権とストライキ権の付与」の解説
同中間報告はILO98号条約(団結権及び団体交渉権についての原則の適用に関する条約・日本は1953年10月20日に批准)との関係から、日本政府に対して「国の行政に直接従事しない公務員への、結社の自由の原則に沿った団体交渉権及びストライキ権の付与」を勧告した。同勧告に対し、日本政府は以下のとおり見解を示し、ILOの見解を認識しつつも、日本の歴史的背景や公務員における労使関係の状況等を踏まえ、国民全体の共同利益の見地から労働基本権の制約は免れ得ないとしている。 「公務員の労働基本権については、その地位の特殊性と職務の公共性に鑑み、国民全体の共同利益の保障という見地から、一定の制約のもとに置かれているところである。一方、公務員も勤労者であり、その生存権保障の見地から、人事院勧告制度等の代償措置が講じられているところである。 最高裁判所においても、労働基本権を保障する憲法28条の規定は公務員にも適用されるが、この権利は国民全体の共同利益の保障の見地から制約を免れ得ないものであり、また、労働基本権制約に対する適切な代償措置が講じられていることから、公務員の争議行為を禁止した法律の各規定は違憲ではない旨判示するとともに団体交渉権についても同様の判示がなされているところである。 公務員の労働基本権制約に関するILOの見解は十分認識しているが、公務員の争議行為制約の範囲等については、各国の歴史的背景や公務員労使関係の状況等諸般の事情を考慮して決めるべきものであると考える。」
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