嘘の政府答弁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 19:17 UTC 版)
国家総動員法の第1条は次のようなものである。 第一條 本法ニ於テ國家總動員トハ戰時(戰爭ニ準ズベキ事變ノ場合ヲ含ム以下之ニ同ジ)ニ際シ國防目的達成ノ爲國ノ全力ヲ最モ有效ニ發揮セシムル樣人的及物的資源ヲ統制運用スルヲ謂フ この条文にある「戦争に準ずべき事変」の意味が、法案審議段階の衆議院総動員法委員会で取りざたされた。つまり、法案審議中にも進行中の日中戦争に同法が適用されるのではないかという点が問題になった。 これに対して政府は「適用しない」と答弁したが、法案が成立するとすぐに反故にされた。これは当然の成り行きで、国家総動員法は陸軍が支那事変への戦時体制の確立の思惑があって本格的に法案化されたものだったからである。 最初に国家総動員法が発動されたのは第13条で、これにより勅令「工業事業者管理令」が制定され、国家総動員法と同時に施行された。ただ、これは一種形式的な発動である。国家総動員法の施行により、「軍需工業動員法」が廃止されたので、同法に基づいて現実に実施を認められている事項の法的効力を担保するために実施されたものである。 国家総動員法の実質的な発動は、1938年(昭和13年)8月の第6条の発動である。
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