吸光光度法
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/19 16:33 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動吸光光度法(きゅうこうこうどほう)とは、試料溶液に光をあて、その光が試料を反射する際の、対象となる物質による光の吸収の程度、すなわち吸光度を測定することにより、その物質の濃度を定量的に分析する方法である。吸光光度分析法(きゅうこうこうどぶんせきほう)とも呼ばれる。
原理
我々人間が白色光の下において光源でない物質の色を見るとき、その物質の色は、その物質が吸収した光の波長の色の補色である。例えば、赤い物体を見るとき、実際はその物体は赤色の補色である青緑色を吸収しているだけであって、その物体を青緑色の光の下で見れば、光は全て吸収されてしまうから、その物体は黒く見えることになる。
また、我々が純粋に見る液体の色は、その液体中の色素によるものであって、例えば何か赤い液体があれば、それは青緑色の波長の光を吸収する物質、すなわち赤い色素が液体中に存在することになる。さらに、その色素の溶液中の濃度が高ければ、その色はより濃く見える。赤色がより濃く見えるというのは、目に入ってくる光の波長のうち、補色である青緑色の波長の光がより少なくなるということである。
実際に、均質な媒質を通過する際の光の強度の減少は、ランベルト・ベールの法則によって定式化されている。まず、ランベルトの法則によれば、強さI0の入射光がこの試料中を距離l進んだときの透過光の強さ、すなわち媒質中の光路長lにおける透過光の強さIは、以下の式で表される。
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