君積命
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 15:31 UTC 版)
始祖である君積命は『姓氏録』和泉国神別の同氏条では枳弥都弥命(きみつみのみこと)に作り、大名草彦命(おおなくさひこのみこと)の子とされている。大名草彦命は『国造次第』に紀伊国造の第5代国造として見える大名草比古と思われ、『紀伊国造系図』には大名草比古命の子としては宇遅比古命(うじひこのみこと)しか掲げていないため、佐伯有清は枳弥都弥命が宇遅比古命の兄弟であったとする説を唱えている。また、『姓氏録』右京神別の同氏条では「君積」を「若積」に作る諸本があり、そこから別名を若積命といい、『肥前国風土記』藤津郡能美郷条に見える「紀直(きのあたい)等の祖、穉日子(わかひこ)」や『先代旧事本紀』の「国造本紀」に見える葛津立国造(ふじつたちのくにのみやつこ)に任じられた「紀直の同祖、大名茅彦命(大名草彦命)の子、若彦命(わかひこのみこと)」と同じ人物であるとする説もあるが、『紀伊続風土記』は上記のように「枳弥都弥(きみつみ)」に作る場合があるために『姓氏録』で「若積」に作る諸本は「君積」の誤記であるとしつつ、「国造本紀」の所伝を活かして大名草比古命の子に宇遅比古命、君積命、若彦命の3子があったとし、それぞれ現和歌山市の宇治(うじ)、紀三井寺(きみいでら)、和歌浦(わかのうら)の地名に基づいて命名されたものであろうと説いている。しかしこれは誤解であり、「望月」系図や「天野祝丹生祝」系図などには大名草彦命の弟が若積命で、その子(大名草彦命の甥)に大村直・高野直の祖である枳弥都弥命と、藤津立国造の祖である穉日子命の名が見える。
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