合成炭化水素燃料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 08:53 UTC 版)
実験室レベルでは、大気中の二酸化炭素を炭化水素燃料に変換できるが、何らかのエネルギー源を必要とする。産業化するには、太陽光をエネルギー源として人工光合成と呼ばれる技術を使うことになる。他のエネルギー源としては、太陽光発電や太陽熱や原子力が考えられる。水素に比べて体積が格段に小さい、既存のエンジン技術にすぐ利用できる、既存の燃料供給基盤をそのまま使えるという利点がある。合成炭化水素燃料の製造が実現すれば、製造した燃料を燃やすまでは大気中の二酸化炭素を減少させることができ、燃やしても製造前に比べて大気中の二酸化炭素量が増えない。燃料の消費量を上回る製造量を技術的に達成できれば、二酸化炭素による温室効果を克服することができる。なお、たとえエネルギー貯蔵を目的にしないとしても、液体燃料を使うしかない航空機の燃料として、さらには、プラスチックなどの工業原料として石油に類する人工合成物質は必要であり、炭化水素の人工合成は将来の必須技術といえる。
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