合併症および代替手段
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/29 10:07 UTC 版)
「抗胸腺細胞グロブリン」の記事における「合併症および代替手段」の解説
ATGの使用はサイトカイン放出症候群を引き起こすことがあり、移植後リンパ増殖性疾患(英語版)(PTLD)のリスクを増大させると考えられてきた。しかしながら、この関連性はより低い用量のレジメン(投与計画)が用いられた時は当て嵌らない。あるエビデンスは、臓器移植時にrATGによって誘導される免疫抑制が免疫学的寛容の進展に好ましい患者の免疫系の状態を作り出すことを示唆しているが、こういった進展についての正確な理由はほとんど推測の域を出ていない。移植時のT細胞集団の一時的枯渇は遅発性の急性拒絶の危険もあり、この遅発性拒絶は見逃される可能性があり、移植片への深刻な損傷を引き起こし得る。 バシリキシマブやダクリズマブ(英語版)といった抗IL-2Rα受容体抗体はサイトカイン放出症候群を引き起こさず、(理論的には)免疫寛容の進展が改善されているため、誘導療法としてのATGの代わりに次第に使われるようになっている。 ATG投与と関連したサイトカイン放出症候群は(39 °Cを超える)発熱、悪寒、(場合により)投与時の体の硬直を頻繁に引き起こす。この理由のため、ステロイド(通常メチルプレドニゾロン)、ジフェンヒドラミン 25–50 mg、アセトアミノフェン 650 mgが大抵同時投与される。こういった副反応は注入速度を遅くすることによってしばしば制御できる。
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