各巻概略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 14:20 UTC 版)
「自然学 (アリストテレス)」の記事における「各巻概略」の解説
【第1巻】 kinesis(キネーシス、“運動”)やmetabole(メタボーレ、変化)が可能であるためにはどのような原理が必要なのか、という問いが立てられる。そしてアリストテレス以前の哲学者たちの説が検討され、eidos(エイドス、形相)、steresis(ステレーシス、欠如態、hylee(ヒュレー、質料)の3つの原理が運動や変化を説明するのに必要でありかつ十分である、と述べる。 【第2巻】 ここでアリストテレスは自然学の対象と方法を規定する。まず自然物を「運動や静止の原理をそれ自体のうちにもつもの」と定義する。次に「〜のphysis」(「 〜のフュシス(自然)」)という表現の意味を分析し、それは「〜のヒュレー(質料)」と「〜のエイドス(形相)」の2つの意味でありうるとし、エイドスのほうが優先されるべきだ、と述べる。そして、ヒュレーとエイドスからなるものとして自然物を研究するのが自然学だ、とする。 また原因という概念が分析される。原因の中でも基本的なものとして質料因、形相因、目的因、始動因の4つを挙げ(四原因説)、さらに、派生的なそれとして付帯原因、偶然などにも言及し、自然学というのは上記基本的原因のすべてを解明すべきだ、と述べる(なお、目的因を認めないような機械論的考え方には反対する)。 【第3巻、第4巻】 運動の概念と、それに関係する連続・無限・場所・空虚・時間等の概念について考察する。 【第5巻】kinesisに関する問題 【第6巻】連続性の問題(ゼノンのパラドックス など) 【第7巻】kinesisに関する問題 【第8巻】kinesisするものは何かによって動かされるという事実から、その何かを動かした何かを遡ってゆけば、不動の動者(全ての運動を引き起こした究極の原因で、それ自身は動かないもの)が存在する、と論証する。
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