司書 (絵画)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』 (2021/08/17 22:46 UTC 版)
ナビゲーションに移動 検索に移動| イタリア語: Il Bibliotecario 英語: The Librarian | |
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| 作者 | ジュゼッペ・アルチンボルド |
|---|---|
| 製作年 | 1566年頃 |
| 種類 | 油絵 |
| 寸法 | 97 cm × 71 cm (38 in × 28 in) |
| 所蔵 | スコークロステル城（スウェーデン） |
『司書』（ししょ, 伊: Il Bibliotecario, 英: The Librarian）は、ジュゼッペ・アルチンボルドによる絵画。本を積み上げて人物を表現している。歴史学者ヴォルフガング・ラツィウスの肖像画とする説が長く流布していたが[1]、現在ではモデル不明とされている[2]。スウェーデンのスコークロステル城所蔵。
作品
神聖ローマ皇帝マクシミリアン2世の公式の肖像画家となったアルチンボルドは、植物や鉱物などを集積して人物を表現する肖像画を多数残している。『司書』もそのひとつで、制作年をめぐっては長く論争があったが、現在ではほとんどの研究者が1569年としている[3]。
もとはプラハ城に所蔵されていたが、1648年のプラハの戦いでスウェーデン軍が接収して現在の場所に移った[4]。アルチンボルドが描いた他の肖像画と同様、『司書』は後世に命名されたタイトルである[5]。
絵のモデルは1957年、美術史家のスヴェン・アルフォンスによって、ヴォルフガング・ラツィウスであるとする研究を発表したが[1][6]、その後否定され、現在モデルは不明とされている[7]。
『司書』には、スコークロステル城所蔵のもののほかにも、作者不明の三つのバージョンが現存する[1] 。さらに長く真筆とされていたスコークロステル城所蔵の本作自体も、現在はアルチンボルドが描いたものではなく後代の模作と考えられている[2][8]。
評価
美術史家ベンノ・ガイガーが『司書』について「現代アートに近い作品」と評して以来[9]、本作の近代性は繰り返し指摘されてきた。また『司書』を含む異様な肖像画シリーズについては、グスタフ・ルネ・ホッケなどがシュルレアリスムの先駆的表現を見いだしている[2][8]。
作品が何を描こうとしているかをめぐって長年議論が続いており、「虚栄心のつよい学者を揶揄している」とか、「本を手に入れて知的であることを誇っているが実際に読むわけではない書物愛好家の風刺」などといった意見が出されてきた[2][4][5]。近年では16世紀ドイツの社会史研究をもとに、そうした意地悪な視線よりも、対象となった人物に対する画家の愛情を強調する研究が主流になっている[4]。
出典
- ^ a b c Elhard, K.C. (Spring 2005). “Reopening the Book on Arcimboldo's "Librarian"”. Libraries & Culture 40 (2): 115-127. doi:10.1353/lac.2005.0027.
- ^ a b c d "Arcimboldo, Giuseppe (?1527 - 1593)." The Encyclopaedia of the Renaissance, edited by Thomas Goddard Bergin, and Jennifer Speake, Market House Books Ltd, 1st edition, 1987.
- ^ Arcimboldo, Giuseppe (1537 - 1593)." The Thames & Hudson Dictionary of Art and Artists, edited by Herbert Edward Read, and Nikos Stangos, Thames & Hudson, 2nd edition, 1994.
- ^ a b c Baumbach, Sibylle. "Physiognomy." Blackwell Companions to Literature and Culture: A New Companion to English Renaissance Literature and Culture, Michael Hattaway, Wiley, 1st edition, 2010.
- ^ a b Godwin, Joscelyn, and Godwin. "Rudolf II of Habsburg." Dictionary of Gnosis and Western Esotericism, edited by W. J. Hanegraaff, Brill, 1st edition, 2006.
- ^ Thomas DaCosta Kaufmann (2009). Arcimboldo: Visual Jokes, Natural History, and Still-Life Painting. University of Chicago Press. p. 259. ISBN 978-0-226-42686-0
- ^ "Arcimboldo Giuseppe (c. 1530 - 1593)." A Biographical Dictionary of Artists, Andromeda, edited by Lawrence Gowing, Windmill Books (Andromeda International), 2nd edition, 1995.
- ^ a b Burke, Peter. "The Historical Geography of the Renaissance." Blackwell Companions to European History: A Companion to the Worlds of the Renaissance, edited by Guido Ruggiero, Blackwell Publishers, 1st edition, 2007.
- ^ Werner Kriegeskorte (2000). Arcimboldo. Ediz. Inglese. Taschen. p. 30. ISBN 978-3-8228-5993-3
外部リンク
「司書 (絵画)」の例文・使い方・用例・文例
- その司書はよく日付のスタンプを押し間違える
- 彼は司書教諭の役割をインターネットで調べた。
- 司書は主題によって本を分類した。
- 彼はこの学校で 18 年間も司書として勤めている.
- 司書の地位
- 図書館、蔵書または司書に関する、またはそれらの
- 米国の司書で、十進分類法を確立した（1851年−1931年）
- 司書は新しく来た図書を棚に並べた
- (図書館の)司書という職業
- ローラさんは教員や図書館司書として働いた。
- 今年の７月，神学校の司書が草稿を発見したのだ。
- 同校の図書館司書は「めぐみさんは本を読むのが大好きで，図書館の本を友だちの誰(だれ)よりも多く読んでいたそうです。」と話した。
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