古墳時代以前の木製「短甲」とは? わかりやすく解説

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古墳時代以前の木製「短甲」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 13:41 UTC 版)

短甲」の記事における「古墳時代以前の木製「短甲」」の解説

現存する板甲は主に古墳時代鉄製金銅製のものであるが、有機質材料併用されていた可能性指摘されており、近年弥生時代終末期遺跡から木製や革製、植物繊維編んで漆を塗ったものなどさまざまな有機質材料の板甲も出土しており「木製短甲」とも呼ばれることがある木製甲は丸太湾曲部残して刳り貫いたものや、方形板を合わせて漆を塗ったもので、文様着色などの装飾施されているものもある。木製甲は、背側と胸胴部)側を別個につくり、紐で綴じ合わせる型式のもので、弥生時代後期静岡県浜松市伊場遺跡の溝から出土し古墳時代実例は、奈良県橿原市坪井遺跡前期の溝から出土している。前者短甲ヤナギ材でつくられており、前胴に当たる部分と背当て部分2点出土している。表面には同心円文や渦巻文、平行線文、羽状文、三角文などの文様凸状明瞭に刻まれている。さらに、それらの文様赤色顔料黒漆塗り分けられている。材質木製であることや呪術的な文様などから実戦ではなく祭具用と考えられている。 ただし近年このような弥生時代木製甲を「短甲」と呼ぶことに対しては、鉄製甲との系譜関係を前提とすることに問題があるとされ、また、前述のように、奈良時代文献史料上の名称である「短甲」を古墳時代甲冑使用することが誤用であると指摘される中で用いられている状態にあり、「二重の誤用」であるとして、批判の声がある。

※この「古墳時代以前の木製「短甲」」の解説は、「短甲」の解説の一部です。
「古墳時代以前の木製「短甲」」を含む「短甲」の記事については、「短甲」の概要を参照ください。

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