口パク以外は選べないパフォーマーの出現と増加
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/05 06:45 UTC 版)
「口パク」の記事における「口パク以外は選べないパフォーマーの出現と増加」の解説
これとは別方向の話で、特に深刻な話だが、デジタル時代に、さまざまなデジタル的音加工技法が編み出され、スタジオでマイクでひろった歌声をそのまま使わず、その歌声に極端な加工を加えて音楽を作る技法が用いられることがさかんになり(たとえば、生の歌声よりもはるかに品質が良い歌声かのように聞こえるように デジタル的にエフェクトをかけたり、容姿は良いが音痴の人に曲を歌わせアイドルとして売り出す場合、歌手の音痴が原因で狂った音高(ピッチ)を、一旦録音した後、スタジオ側(のエンジニア)がデジタル的に一音一音修正する、などということが行われるようになった)。容姿(視覚的イメージ)優先で人(歌手)を選び、歌声をスタジオで人工的に作り上げて、(容姿も良く、歌も上手いという架空の歌手を作り出し)幻想上のイメージを視聴者に売り込んで音楽ビジネスとして儲けるということも、デジタル加工技術が発展してからは、盛んに行われるようになった。 その結果、(散々デジタル加工されてようやく作り出された)録音と同等の品質を、ステージの生歌で再現して聴衆に聞かせることは困難な歌手が増えて、CDやデジタル音源で聴いた歌声が「本物の歌声」だと信じてしまった聴衆を失望させないようにするために、ステージでは全面的に口パクを選ばざるを得なくなるパフォーマー(ダンサー、アイドル、歌手)が増えた。テレビ番組にて、歌う姿を見られないファンらが、コンサートライブでならと、こぞってチケットを買い求めることにより、逆術的に収益を増やす。新時代のアイドル商法は、正統派のアイドルに対する、カウンターカルチャーとしての、商業ビジネスの主流となっている。
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