受精とその後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/08 23:51 UTC 版)
卵球が完成すると、生卵器の突起の先端が口を開き、造精器より出た精子がそこに近づくと、あたかもそこに分泌された粘液に捕まえられたかのように見える。それから精子は中に吸い込まれ、すぐに卵球に吸収されて見分けられなくなる。鞭毛だけが数分程度残っていることもあるが、程なくこれも見えなくなる。すると金褐色の薄い膜が接合子の周囲に出現し、その後に核の融合が生じる。 この後の接合子の振る舞いには2通りある。M. insignis や M. sphaerica などでは接合子は生卵器の内部に留まり、やがてその表面に金褐色の厚い外皮を形成する。この形を「内生的」(endogoneous)という。他方、M. hypogyna や M. macrandra の場合、接合子は移動して、受精から3-5分の間に生卵器の先端の穴から出てしまう。接合子の脱出は漸進的に行われ、少なくとも2分を要する。脱出した接合子は生卵器の先端にある開口部に残存するが、M. macrandra ではそこから脱落しがちである。このような型を「外生的」(exogenous)という。接合子は外に出るとその壁が厚くなり、水泡状の突起が多数出来るようになる。ただし M. polymorpha では成熟しても薄膜の状態でいる。 接合子はそのまま休眠に入るものと考えられている。接合子は好適な条件で発芽するが、これは発芽管を出し、それが菌糸に発展する形で行われ、直接に遊走子を形成するようなことはない。また、一部の種では卵胞子が受精することなく接合子の形に変化することが知られている。
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