受理可能性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/20 02:43 UTC 版)
論点アメリカの抗弁判決進行中の武力紛争ニカラグアはアメリカによる違法な武力行使を主張しているが、国連憲章のもとにおいてこうした進行中の武力紛争はICJではなく安全保障理事会の専権事項であってICJの司法的解決にはなじまないため、ICJは国連憲章第51条にもとづく自衛権の問題を受理できず、進行中の武力紛争を扱うべきではない。 安保理の手続きとICJの手続きは並行して行うことができるし、ニカラグアの請求は紛争の平和的解決を目指すものであり、適切に国連の主要な司法機関たるICJに付託されている。 「進行中の武力紛争」に関するアメリカの抗弁は、直接的にアメリカは言及こそしなかったものの政治的性格の強い紛争(政治的紛争)に関する請求の受理可能性を争うものであり、従来からICJでこのような先決的抗弁が主張されることは少なくない。ICJは紛争の政治性を理由に請求の受理可能性を否定することに対しては極めて消極的であり、紛争に政治的側面と法律的側面の双方があったとしてもそのうちの法律的側面を扱うことでICJの司法的機能を果たすことができるとする見解をICJは従来から示している。
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