厨子入銅板押出阿弥陀三尊及僧形像・銅板押出如来及両脇侍立像(板扉貼付)・銅板舟形後屏(銅板押出天蓋付)
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「法隆寺の仏像」の記事における「厨子入銅板押出阿弥陀三尊及僧形像・銅板押出如来及両脇侍立像(板扉貼付)・銅板舟形後屏(銅板押出天蓋付)」の解説
重要文化財。奈良時代。飛鳥・奈良時代に盛んに制作された、いわゆる「押出仏」の遺品である。押出仏とは、浮彫の原型の上に薄い銅板を当て、鎚やノミで叩いて像の形を浮き出させるもので、同じ原型から複数の像を作ることができる。鎚鍱像(ついちょうぞう)ともいう。「厨子入銅板押出阿弥陀三尊及僧形像」は、厨子の高さ64.8センチ、押出仏の高さ39.0センチ。この種の押出仏が厨子に収められて礼拝像として用いられたことを示す実例である。説法印を結んで坐す阿弥陀如来像の左右に観音・勢至両菩薩像が立ち、如来と脇侍の間には各1体の僧形像が立つ。もとは鍍金されていた。これらの像の上部にある天蓋は、一時期寺外に流出して民間の所蔵となっていたものが寺に返還されたものである。東京国立博物館の法隆寺献納宝物には、本作と同じ原型から制作された押出仏が3点ある。黒漆塗の厨子は押出仏用に作られた奥行の浅いもので、上部を屋根形に作り、垂木の形を表す。観音開きの扉を付け、扉内面には金剛力士のような像を描く。「銅板押出如来及両脇侍立像(板扉貼付)」は高さ24.0センチ。3体とも立像に表された三尊像の上部に天蓋を表す。その上部にはそれぞれ小天蓋を有する3体の化仏を表す。「銅板舟形後屏(銅板押出天蓋付)」は、高さ57.4センチ。もと押出仏を貼り付けていた銅板で、現状では押出仏本体は失われて、天蓋のみが残っている。左右2枚の銅板を鋲留めとし、全体を蓮弁形に作る。東京国立博物館保管の法隆寺献納宝物198号の押出仏は、釘穴の跡が一致することから、もとはこの銅板と一具であったことがわかる。銅板の裏面には線刻で竹林と比丘、獅子、力士を表す。
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