原子力規制委員会設置後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 08:16 UTC 版)
「東日本大震災による電力危機」の記事における「原子力規制委員会設置後」の解説
原発事故後、エネルギー政策を推進する立場にある経済産業省の中に、原子力安全・保安院があることが問題視された。そのため、原子力安全・保安院と原子力安全委員会を統合し、新たに環境省の外局として原子力規制委員会を設置する法律が2012年6月20日に成立、2012年9月19日に委員会が発足した。 原発の再稼働を巡っては、ストレステストを行なった後に再稼働させることで一度は決着したものの、新たに発足した原子力規制委員会が原子力発電所の新規制基準を策定することになり、原発は新規制基準に基づき安全性を審査され、認可されたものだけが再稼働できることになった。新規制基準では、大規模な自然災害やテロ攻撃などの外部事象を想定した過酷事故対策を行ない、既存の原発にも新基準を適用するとした。新規制基準は2013年7月8日に施行された。大飯原発は2013年9月に3号機・4号機とも定期点検のため運転を停止し、再び全国全ての原発が運転を停止した。 新規制基準による審査を経て、2015年8月11日に九州電力川内原子力発電所1号機が再稼働し、「原発ゼロ」は約2年ぶりに解消された。続いて同年10月15日には同原発2号機も再稼働した。 2016年1月29日、関西電力の高浜原子力発電所3号機が再稼働。同年2月26日には同発電所4号機も再稼働したが、3日後に異常を検知して緊急停止した。同年3月9日、大津地方裁判所が、滋賀県の住民の訴えを認めて高浜原発の運転を差し止める仮処分決定を下したため、3号機も再び運転を停止した。約1年後の2017年3月28日、抗告審でこの仮処分決定を大阪高等裁判所が取り消したため、関西電力は同年5月17日に高浜原発4号機を、6月6日に同3号機を再稼働させた。大津地裁は、新規制基準には不安な点があり、関電による安全性の証明も不十分だとした。一方で大阪高裁は、新規制基準は不合理ではなく、関電は新規制基準に適合した対策をしており、安全性が欠如しているとは言えないとした。
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